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ヒートパイプの自作

[w-Space INDEX] [戻る] upload 2005/05/17
update 2005/05/17

ヒートパイプについて

ヒートパイプとは、管の中の水などの作動液が気化、凝縮を繰り返すことで大量の熱を瞬時に移動することができる管のことです。

動作原理

まず、吸熱部位で熱を得ると作動液が沸騰します。化学の授業でもやったことあると思いますが、気液平衡の状態に管の中はあるのでちょっと熱が加わるだけで沸騰しようとするわけです。

沸騰すると、気化したガスによって膨張しようとしますが管の中の体積は一定なので実際は沸騰せずに圧力が高まり、温度もともに上がります。

温度が高まると、当然熱は温度の低い方へ逃げようとするわけですが吸熱部位では常に熱が供給されるために反対側の放熱部位から熱が逃げていきます。ここで、温度の低い放熱部位では熱が逃げた分凝縮が起こります。

凝縮した液体はウィックを通じて、重力と毛細管現象によって吸熱部位へ移動していきます。これらのサイクルが同時に発生するといった感じです。(といっても、私のイメージですがw)

熱の移動速度は音速だといわれています。(内圧の上昇は、気体の波動として伝わっていくためだと思います。)状況にもよりますが、熱伝導は銀や銅などの何百倍とか言われているみたいです。

(画像は後ほど掲載します。)

ヒートパイプの特徴

なんと言っても、熱伝導率が非常に高いのでヒートシンクを大型化したり、遠方に熱を移動したりすることが可能になります。

通常の金属は形状は不定形ですが、ヒートパイプは管状に限られるのでその点で設置が厄介になります。しかも、管はほとんどが円柱形なのでヒートシンクに取り付ける際に密着させることが困難になります。

動作原理上、作動液が重力の恩恵を最大限に受けられる放熱部上、吸熱部が下に鉛直になるボトムヒートという状態で一番の性能を発揮します。逆にトップヒートでは性能が落ち、ボトムヒートに比べると管の直径やウィックの構造にもよりますが30%とか言われています。水平ヒートで50%くらいです。

ヒートレーン

ヒートパイプの欠点である、設置方向によって性能が変わってしまうというのと曲げに弱いという点を克服したものにヒートレーンがあります。

ヒートレーンは平べったい形をしており、その内部に細い管がたくさん通っています。この内部に、ヒートパイプ同様に作動液が封入されているんですが、作動液の液体と気体が相互に振動しながら移動するためにヒートパイプよりも高性能かつ設置方向に依存しないと言うものです。

実際に、いくつかヒートレーンを使用したCPUクーラーがありますがうたっているほど性能はよくない気がします。物理的な問題をまだ抱えているのかもしれません。

ヒートパイプの製作

後ほど詳細を掲載いたします。

可撓性ヒートパイプ

可撓性(かとうせい)とは、曲げたりたわめたりできる性質のことです。通常のヒートパイプは、銅管などの金属製なので多少は曲げられますが、ほとんど直線に近い形で使用されます。可撓性を持たせることよりも、内部の作動液が視認できることを目的に実験的に製作しました。

通常のヒートパイプと違い、耐久性が非常に低く破裂などの危険があります。もしも製作する場合は自己責任でお願いします。ゴーグルなどの装着をお勧めします。

製作記録

ヒートパイプ
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銅管を2本と透明なチューブを用意します。使用するチューブは、耐圧タイプのものを使用するべきなんですが、近くにあった熱帯魚用のエアーチューブを使用しました。無謀です。

銅管の一本の片側をかしめ、ハンダでふさぎます。そしてもう一方をチューブに接続し、もう一本の銅管も接続します。このとき、銅管をラッパ上にしたり段をつけておけば抜けを防ぐことができるでしょう。一応接着剤をつけて気密性を高めてあります。かえってこれが摩擦を減らして抜ける原因になったようです。

開いている方の銅管にもチューブを接続し、エアダスターにそのチューブを繋ぎます。HFC-134aの液体を流し込んで、封入してやります。

完成後

ヒートパイプ
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HFC-134aは20度で0.57MPa(約5.7気圧)なので結構な圧力がチューブにかかります。そのため、チューブはパンパンに膨れ上がってちょっとでも刺激すると破裂しそうなくらいです。(1気圧=1013hPa=101.3KPa=0.10MPa)

恐る恐る手にとって、片側を手で暖めてやるとたまっていた作動液がぷつぷつと沸騰しました。

いじっているうちに、チューブと銅管を繋いでいる部分が抜けて、銅管が弾丸のようにぶっ飛んでいきました。あと少しで顔にぶつかって失明でもしようかというところでした。ただ単に針金で留めていたので当然といえば当然です。口を広げるなど、理論的に抜けないようにしておくべきでした。